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「舞・・・
何度か言ったと思うが、後ろに座っていられると、食べにくいな。
片付けくらい自分でやるから、舞は休憩してくれていいよ」
斗真は箸を置いて、舞の方に振り向いた。
「斗真様のお世話も、私の大切なお仕事ですのに。
斗真様には迷惑なのですか?」
舞は不服そうに口を尖らせる。
もちろん本気で拗ねているわけではなく、彼女なりに斗真の気を引くためのアピールなのだ。
言うまでもないが、斗真にそんな微妙な女性の気持ちが理解できるわけもなく、しどろもどろして、返答に困るだけだった。
「いや、そうではなくてだな。
何と言えばいいのか、背後に人がいるというのは、剣士にとっては、落ち着かないというか、なんというか・・・」
「わかりました、斗真様。
私は隣に控えておりますので、いつでもお声をお掛けください」
しかし何故か舞は納得したようで、ニコニコしながら居間を出て言った。
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