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ここで巴御前とその能力について説明が必要だろう。
巴御前は三百年にわたり木九衣の家を守護霊として守ってきた。
そして数々の神通力を用いて、当主をサポートする。
神足通は壁を通り抜け、空中に浮かび、自分の姿を消したり任意の人間だけに見せることもできる。
そして千里眼は、鬼の発する強い殺気や怒気を感知して、その居場所を特定することができるのだ。
巴御前は、今まさに千里眼によって、鬼の殺気を感知していた。
｢御前様、鬼ですか？｣
舞に聞いて、凛香も居間にやってきた。
｢うむ。
今は殺気は感じぬがな。
何ぞ企んでおるのやもしれんの｣
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