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圭は貫かれた胸の傷を確認した。
鬼に同化された体からは、一滴の血も流れていない。
しかし本来なら既に再生を始めているはずの傷口が、いっこうに塞がる気配を見せない。
「鬼の体に治らぬ傷をつけるとは・・・
まさか、その刀は!」
チャリ・・・
斗真は刀を水平に構えて、切っ先を圭に向けた。
「そうだ。
貴様ら鬼を狩る神刀、髭切だ」
髭切には美しい刃文が浮かび、その鋭さゆえに、刀身が結露しているように見えた。
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