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「醜い姿だな。
まあ、お前にはお似合いだ。
その姿のように醜く死ね」
斗真に侮蔑の言葉を叩きつけられ、剛鬼の体が憤怒に震えた。
「ウガァ!」
この世の物とは思えない叫びを上げて、剛鬼が爪を振り回す。
普通の人間であれば、何が起こったのか、わからぬうちにバラバラに引き裂かれていただろう。
斗真は素早くバックステップして、顔面に迫る爪をかわす。
かすかに遅れた前髪が、ハラリとフローリングの床に落ちた。
鋭利な爪の切れ味も、剛鬼の速さと相まって、恐ろしい程に研ぎ澄まされている。
「オオオ!」
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