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｢外道、そこまでじゃ！｣
女に死を告げる少女の声は、内容とは裏腹に、美しく透き通っていた。
女はその声に反応して、跳ね起き飛び退く。
見た目に反して、素早く猫のようにしなやかで、動物的な動きを見せた。
｢クソッ！
見つかったか！｣
女の怒りに満ちた視線の先に、10才くらいの黒髪の少女がいた。
少女は華奢な体に雅(みやび)な着物を纏(まと)い、可愛らしさと艶やかな美しさを併せ持った不思議な面立ちをしていた。
そして何より驚くべきことに、その少女は地面から1メートルほどのところで、フワフワと浮かんでいたのである。
｢ふん。
この巴御前(ともえごぜん)の千里眼から、逃れられると思うたか｣
ジャリ・・・
巴御前と名乗った少女の得意気な台詞と共に、黒いコートに身を包んだ青年が、ユラリと柱の影から現れた。
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