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青年の背は高く、190センチ程はありそうだ。
コートの下には、やや細身ではあるが、鍛え抜かれた鋼のような肉体が隠されている。
そして青年は、眉目秀麗という言葉が最も相応しい、美しい顔立ちをしていた。
しかし彼の目に宿る悽愴な光と、その美しい顔に不似合いな、左の眉から顎にかけて弧を描く醜い傷が、彼が尋常ならざる者であると物語っている。
「ヒッ!」
女は彼を見て、ひきつった呼吸音を漏らした。
まるで死神に出会ったように、絶望的なまでに悲壮感を漂わせた表情をしている。
コートの青年は、女の反応などまるで意に介さず、スタスタと歩み寄り、女の5メートルほど手前で立ち止まった。
「遅いぞ、斗真」
「慌てるな、御前
直ぐに終わらせる」
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