472人が本棚に入れています
本棚に追加
かぁっと耳まで紅くなった。
ものすごく興味なさそうなトーンでそう言う風に言うのやめてほしい。
「違ってないけど、なんか杏莉が言うと、どうでもいいような話に聞こえてくるのがすごいよね……」
「あ、もちろん奏のことをディスってるわけじゃないよ。知ってると思うけど、私、王子様系の人に全く興味がないんだもん。
だいたいね、王子様なんて絶対にちやほやされて育てられてるよ? 検討する余地なく俺様気質に決まってんじゃん。
白馬に乗った俺様王子を待ちわびる女子の気持ちなんて、微塵も理解できないわ」
三国志を愛読し、理想のタイプは関羽。
まぁ、女友達とは好きなタイプはかぶらない方がトラブルは少ないよね――。
「別に、待ち続けてたわけじゃないんだけど――。
色々あって、今一緒に居るんだ」
「へー。先月は全然そんなこと言ってなかったじゃん。
急展開だね。
ますますもってゆっくり話がしたいから、明日飲もうね」
楽しみ、と言って電話は切れてしまった。
ああ、もう――と思うけれど、ここは私が頑張るべきなのだ。
合鍵だって欲しい。出かける自由は得るべきだと思う。
今ちゃんと話をつけないと、と思う。蓮登さんにこのまま軟禁され続けるのは、さすがに本意ではなかった。
最初のコメントを投稿しよう!