俺様王子

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かぁっと耳まで紅くなった。 ものすごく興味なさそうなトーンでそう言う風に言うのやめてほしい。 「違ってないけど、なんか杏莉が言うと、どうでもいいような話に聞こえてくるのがすごいよね……」 「あ、もちろん奏のことをディスってるわけじゃないよ。知ってると思うけど、私、王子様系の人に全く興味がないんだもん。  だいたいね、王子様なんて絶対にちやほやされて育てられてるよ? 検討する余地なく俺様気質に決まってんじゃん。  白馬に乗った俺様王子を待ちわびる女子の気持ちなんて、微塵も理解できないわ」 三国志を愛読し、理想のタイプは関羽。 まぁ、女友達とは好きなタイプはかぶらない方がトラブルは少ないよね――。 「別に、待ち続けてたわけじゃないんだけど――。  色々あって、今一緒に居るんだ」 「へー。先月は全然そんなこと言ってなかったじゃん。  急展開だね。  ますますもってゆっくり話がしたいから、明日飲もうね」 楽しみ、と言って電話は切れてしまった。 ああ、もう――と思うけれど、ここは私が頑張るべきなのだ。 合鍵だって欲しい。出かける自由は得るべきだと思う。 今ちゃんと話をつけないと、と思う。蓮登さんにこのまま軟禁され続けるのは、さすがに本意ではなかった。
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