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「あたしは西野つかさ。ねぇ、間違ってたら申し訳ないんだけど、成宮くんて今朝反対車線の電車に飛び込んでった人だよね?」
ずいと身を乗り出して、つかさはいきなり直球な質問を投げつける。
強い、強すぎるよつかさ。
「え、そうなの?」
合わせてハルカくんも問いかける。
「そうよね陽依?」
「え、あ、あの、その」
ちらりと横目で睨まれたような気がして、横を向けない私は頷けず苦笑いをするだけ。
すると。
「...そうだよ。あぁもう、同じクラスだって分かってたら絶対あんなことやらなかったのに」
「ご、ごめんなさい!」
やっぱりすごく迷惑だったんだ。
じわり、視界が滲んで。今度こそ我慢が利かなくて、ぽたりと一粒涙が落ちる。
「ちょっと、勝手に飛び込んだのはそっちでしょ?!そんな言い方しなくたって」
「ちょ、ちょっと待てよつかさ。俺、話が全然見えないんだけど」
立ち上がるつかさを宥めるハルカくん。
どうしよう。
私のせいでこんな初日からケンカなんて。
涙が止まらず声が出ない。
そしたらガタン!と大きな音を立てて、千早くんがイスごとこちらに身体を向けていた。
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