世界の色が変わる

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高校生活1日目。 憧れのブレザーにチェックのスカートはやっぱり可愛くて。 駅の鏡に映る自分の姿をチラリと見て、受験頑張って良かったなぁ、なんて思う。 「陽依!何やってんの?!電車きてるよっ」 「あっ、待って!」 少し先にプラットホームに入るつかさの後ろ姿を慌てて追いかける。 電車の発車を知らせるベルがけたたましく鳴り響いて、私の心臓が早鐘を打つ。 入学初日から遅刻だなんてシャレにならない。 なんとか滑り込みセーフで車内に乗り込んだ私は、ふーと息を吐いて扉にもたれかかった。 「間に合って良かったー」 「もう、早起き苦手なくせに何で電車通学しなきゃいけない高校選んだのよ」 「だって、ここの制服にずっと憧れてたんだもん」 灰色のブレザーの胸元には学校のシンボルマークの刺繍が入っていて格好良いデザイン。 けれど、この紺のチェックスカートが何と言っても可愛い。 家から徒歩圏内に公立高校はあるけれど、少し無理して受験させてもらったんだ。
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