世界の色が変わる

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「でも、やっぱりつかさには敵わないなぁ」 身長の低い私と違ってスタイルの良いつかさは、まるでティーンズ雑誌から飛び出して来たみたいに制服を着こなしていて。 スレンダーに伸びた足がスカートの裾からチラリと覗くだびに、女の私でさえドキドキしてしまう。 つかさは私を見下ろしながら、キレイに手入れされた黒のロングヘアをシュシュで後ろに纏めながら言った。 「陽依だって十分可愛いわよ」 「本当っ?」 「うん。七五三みたい」 上がったテンションが一気に落ちる。 そんな私をみては面白そうに笑うつかさは少しイジワルだ。 けれど、中学からの親友のつかさとまた同じ学校に通えることが嬉しくて、自然と笑みが零れた。 学校の最寄駅までは電車で4駅。 車内のアナウンスと共に電車にブレーキがかかり、駅が近いことを知らせる。 「陽依、もうすぐ降りるからはぐれないでね」 「う、うん」 というのも、駅から学校までは歩くと15分くらいかかって。 見学に訪れた時、方向音痴の私はつかさと逸れてしまって迷惑をかけたから。 背の低い私は電車を降りる人ごみにあっという間に飲まれてしまって、つかさを見失ってしまった のだ。 今朝の車内もほどほどに混んでいる。 学校までの道もまだ少し不安だし、何としてもつかさに引っ付いて電車を降りなければ。
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