第5章 アンジュの世界 ①

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普段なら恥ずかしくて 言えやしないセリフを書き連ね 嬉々として送信する。 しかし待てども待てども 返事は来なかった。 30分後には 何度読み返しても赤面する文面を前に ひどく後悔して頭を抱え。 そのまた30分後には 『うん、そうだね』 やっと受け取ったその一言に 気持ち悪いほどニヤニヤする。 彼はやっぱり最高だ――なんて。 恋の破壊力は勢いを増すばかり。 僕は今夜も窓際に立って 真っ暗なプールサイドを まるでそこにアンジュがいるように見下ろしていた。
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