第5章 アンジュの世界 ①

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そうこうしているうち 本当に――。 「あ……」 幻想ではないアンジュが プールサイドに現れた。 失礼を承知で 僕はやり取り途中の電話を放り出し。 窓を開けると――。 「おーい!」 今まさに白いガウンを脱ぎ捨て プールに飛び込もうとしていたアンジュと 目があって手を振る。 「来いよ、ジュリエット」 今日の彼はご機嫌で 満面の笑みで僕をそう呼ぶと。 イルカのように 頭からプールに飛び込んだ。
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