第5章 アンジュの世界 ①

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「待って。ねえ、お母さんは?」 さすがに後ろが気になって 振り向くけれど。 「今日はパパと2人で出かけた。アウトレットで買い物して夕飯も食べてくるって言ってたから夜まで帰らないよ」 嬉しい知らせに 「わあ」 僕は思わず声を漏らす。 「君、今日の予定は?」 分かってるくせに。 わざとらしくアンジュが聞いてくる。 「君に会って君に会って、君に会うだけさ――」 僕らは互いを確かめ合うように 水中で足を絡め今一度キスを交わした。
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