事件

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「確かな情報は入ってない、でもそういうことなんじ  ゃないかな」 そりゃそうだよな、ついさっきのことなんだから 僕は気になっていたことを訊いてみた。 「ご存知でしたら教えてほしいんですが、SITの隊員  の中に女性っているんですか?」 新聞記者は、突拍子もない僕の質問に目を丸くして 「女性? 聞いたことないな、でもそもそも秘密裏  で活動してる連中だから、いたとしても情報として  伝わってこないんじゃないかな」 そういうと、これ以上変な質問には付き合っていられない、とばかりに足早に去っていった。 中田さんは、そんな僕を見て 「何か気になることでもあるの?」と訊いてきた。 僕はSITたちが配置された場所以外のところで、人影を見たことを話した。 中田さんは腕を組んでしばらく考えてから 「それは本当に人影だったんだよね、しかももしかし  たら 女性。」 それ、調べてみる価値あるよね、っていう もし、そうだったとしたら 特ダネだ 違ったとしても、それはそれで残念でした で済む話 中田さんは、明日の朝刊はどこもトップにこの記事を持ってくるだろうし、数日は後追い記事も出る。 読者が興味を無くしかけた頃、実はこうでした。 があっても面白いかもしれない。そう言った。
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