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「あ、いや僕は別にスクープを狙ってるわけじゃ
ないですから、なんとなく気になったってだけで」
中田さんは、そういえばコイツは新聞記者じゃなかったと思い出したように、ぷっと吹き出して
「ゴメンゴメン、そうだった。ついいつもの癖でね
でも、その話 確かに気になるよ」
どちらにせよ、この事件に関する取材はしなければいけないから、わかったことがあったら報告する。
中田さんはそう言って、人混みの中に消えていった。
僕は影が動いた方向を じっと見つめた。
事件はまだ終わってはいない、むしろこれからだ。
現場検証が終わるまでは規制線も張られたままだから容易に近づくこともできない。
せめて、あの雑木林に行くことはできないだろうか
翌日の朝刊は、一面に事件のことが取り上げられていた。腹を刺されて重症を負っていた人質の男性は、一命を取り留めたらしい。他の二人の人質は幸いにも無傷だったらしいが、まだ警察の質問には応えられる状況ではないらしい。
そうだよな、どれだけ恐ろしかったことか…
犯人を射殺したのはSIT、ただ まだ詳しいことはわかっていない と結んでいる。
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