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『今までありがとうございました。あなたと過ごした日々は忘れません。今までのご無礼お詫びします。では、ご元気で』
メイドの名前が裏に書かれていた。
テーブルに置かれた一枚の紙をぐしゃっと握りしめてポケットに入れた。
彼女は彼女の意思で消えたわけじゃない。だってボールペンの文字が異常にガクガクだった。それに汗水が垂れてシミになっていた。
心の中でこう呟く。
「メイドも守れぬ者に幸福なし」と。
恐らく脅されていたのだろう。私は社長でもある。やはり金か。なら警察に連絡するか?待てよ、盗聴機があったらどうする?
だとしたら社員か?ストライキ的な何かか?
待てよ、私は大事な人を疑っていない。
でも何のために?いや、今まで彼女を雇って嫌な事はなかったはず。
ん?もしかして……あの人か?
こんなふうに私は犯人探しを脳内で考察する。
そして現在……。
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