すすきのに瞬く一等星

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歓迎会シーズンが落ち着いた四月の下旬。 決別を決めても尚、私はまだ彼と一緒に暮らしている。 「今日からゴールデンウィークかぁ。 緋夏は明日から帰省するんだっけ?」 店のバックヤードでタバコを吸いながら、奈織は深い溜め息を吐く。 「連休中って意外と暇なんだよね。 やっぱり私も帰省するって言えば良かった。」 ゴールデンウィーク中は来店する客の流れが変わる。 それは、うちのようなそこそこ高級なクラブの場合、贔屓にしてくれている客のほとんどが生活に余裕がある所帯持ちだからだ。
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