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真っ黒のなかに輝く、無数の小さな光。
光はいつも、どんなときも、輝いている。
彼女はそんな光の、一つになった。
カラン、コロンとげたの音が響く。
俺と優宇の周りには、沢山の人が歩いている。
全員、むかっている先は同じ。
短冊に願いを、かきにいくのだ。
「ねぇ」
歩いていた優宇がたちどまって、こちらを振り返った。
優宇の隣が、あいているのは変な感じがする。
だって、優宇の隣にはいつも、美星がいたから。
「あの星、きれいだね」
優宇にいわれて、空をみる。
そこには、きれいな星が一つ、輝いていた。
「きっと美星だな。あいつ、星になるっていってたから」
「名前通り。美しい星」
「そうだな…ほら、短冊にかきにいくぞ」
俺たちにとって七夕は、美星にあえる日で。短冊は美星にメッセージを、かくものになった。
俺は歩きながら、空を見上げる。
そこには、美しい星が輝いていた。
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