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「だからかけたのよ。でなきゃ誰がアンタなんかに。で、アンタも聞いたわよね?」
『・・遺体が目を覚ましたってか?』
電話の向こうで、フンと鼻を鳴らす音が聞こえた。
「そうよ。それに今気付いたけど、あの病院は被害者達が運ばれた病院じゃないの?」
『ほう、お前のセミ並みのオツムで、よく気付いたな。褒めてやろう。』
「いつかアンタを剥製にして、リビングに飾ってやるわ。で、どうする?」
『まずは、リビングのある立派なウチに住むこったな。お前はどうしたい?」
「是非も無し!」
『よっしゃ。病院前でな。』
聞き終わる前に、楠木は電話を切った。
「私がセミなら、お前はノミよ。クソッタレ!」
悪態をつきながら、楠木は素早く着替えに移る。動きやすい様にスポーツブラをチョイスすると、上下は紺の戦闘服。制服でもある。軽くて丈夫で機能的。しかも官給品だからタダだ。右上腕部分に縫い付けられた、STSのワッペンが誇らしげに自己主張している。
彼女はテーブルに無造作に置かれたガンベルトを鷲掴みにすると、腰に装着した。愛用のハンドガンSIG209を抜き弾倉を確認する。15発満タンだ。さらに予備の弾倉を3本、ベルトに差す。戦闘開始の準備は整った。
「よし。行くか!」
愛車のキーをこれまた鷲掴みにすると、楠木は部屋を後にした。
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