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「クソッ!SATはどうした!?STSは!?」
隊長は無線のマイクを掴んだ。
「10階~8階は放棄だ!それぞれ防火扉を閉めて、7階まで撤退しろ!急げ!」
「そんな!?まだ入院患者が大勢・・職員だって!」
隊長の指示に、院長が抗議する。
「助けられん!諦めろ!それより、7階から下の入院患者を避難させんか!早くしろ!」
それを聞いた院長達は、一瞬の間を置いてバタバタと方々へ散って行った。
『隊長!隊長!地下の安置室です!扉が破られました!!死人が歩き出して・・襲ってきます!!』
隊長がマイクに飛び付いた。
「バカ言うな!安置室は空のはずだ!」
『違います!・・食い止めろ!!・・安置室はまだ2カ所!うち1つが・・ちくしょう!!』
声に混じり、銃声や激しい物音が聞こえる。
「今すぐ地下を封鎖だ!!地下は放棄!!撤退だ!!」
『・・くそっ!離せ!この化け物がぁっ!!うがぁぁっ!!』
「おい!?どうした!!応答せんか!!」
だが、無線はもう何の反応も示さなかった。増援を送りたくても、増援そのものがいないのだ。地下で何が起きたかすら分からない。
「・・いかん!地下を封鎖せねば・・・!」
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