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「くそっ、こいつら・・」
楠木は迷ったが、まずは男女を倒す方を選んだ。ライフルを構え、男に狙いをつけると引き金を引いた。
タタタン!!
小気味良い乾いた音が響いた。3点バーストで吐き出された弾丸は、男の胸板に斜めに3つの穴を開けた。赤黒い血が流れ出す。だが、男は一瞬怯んだだけで無表情で楠木に迫って来るではないか。
もう1度、今度は体の中心を狙う。
タタタン!!
胸のど真ん中を弾丸は貫いていったが、やはり男は倒れない。とうとう男は楠木に掴みかかれる距離にまで接近して来た。その後ろからは、女も迫って来ていた。さらに、ブーツを掴む警官。楠木は全身から汗が噴き出した。
その時、後方からドカドカとけたたましい靴音が鳴り響いた。
「いたぞ!伏せろ、楠木!!」
楠木はとっさに反応して身を低くした。
ダダダダダッ!!
同時に銃声が響き渡る。楠木には聞き慣れた音だ。頭上を無数の弾丸が空気を切り裂いていく。楠木は腰のホルスターからハンドガンを抜くと、ブーツを掴む警官に向けた。
「楠木!頭だ!頭を狙え!」
それに従い、楠木はハンドガンを警官の頭に向けた。間髪入れずに引き金を引いた。1発、2発。額に風穴を開けられた警官は、真っ赤な血を流しながら一瞬目を見開き、体を僅かにそらせて、そのまま床に突っ伏すと、2度と動くことはなかった。
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