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「あいつらは一体何なの?薬物中毒?死人が蘇るなんて、ロメロやバイオハザードじゃあるまいし・・」
絢子はそう言うと、ライフルを背中に背負った。ロメロというのは、その昔、ゾンビ映画で有名な映画監督の名前で、バイオハザードというのは、昔流行ったゲームや映画の話だ。
ロビーは、車椅子に乗せられた患者、動けない為にベッドのまま移送される患者、点滴のスタンドを引きずりながら歩いていく姿も見られた。その間を縫うように、医師や看護士、警察関係者が前後左右に動き回っていた。
「さあな・・まだ何も分からん。ここだけで事態が収まってるのが幸いっちゃ幸いなんだがな。」
そこへ、地下の封鎖を終えた美香が合流してきた。その表情は険しく、疲労の色がにじみ出ていた。
「よお。無事だったか。」
「アンタ生きてたの。残念。あら、絢子。応援お疲れ様。」
絢子は微笑むと、片手を上げて応えた。
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