第4章 ~敵は死人~

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「ちょっと待って下さいよ!?その・・遺体が蘇生するというのは、複数の病院や施設で発生しているということですか!?」 記者達から一斉に質問が飛ぶ。 「その通りでして・・都内の病院や遺体を扱う施設で、そうした事例が相次いで報告されております。しかも・・その、蘇生した遺体は、例外なく生きている人間を襲撃するという異常な事態となっておりまして・・」 松本教授は額から滝の様に汗を流し、首元も汗でシャツの襟が変色していた。 「教授!?生き返った死人が、生きている人間を襲うんですか!?」 「襲うって・・殺害するってこと!?」 「人間を見たら、見境なく!?」 「それじゃ、ゾンビじゃないか!!」 ゾンビというワードに、一同が静まり返り、その発言をした記者に視線が集中した。 「皆様、よろしいでしょうか?」 その間を縫うように、今度は日本版CDCとも言える、国立感染研究所の浜田博士が壇上に上がってきた。
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