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質問は次から次へと浴びせられ、さすがの浜田博士もうんざりしてきたところへ、会場の外がにわかに騒がしくなった。SP達はインカムに手をやり、表情が険しくなる。何名かは高部首相に寄り添い、他の者は松本や浜田らを一箇所に集めた。
「何か起きたのかね!?」
高部が隣のSPに聞くが、そのSPは分からないと小さく首を左右に振った。だが、両手でSMGをしっかりと構えているところから察するに、非常事態が起きている可能性は高い。
「全員、最上階へ避難だ!!正面ゲートが突破された!!急げ!!」
盾と拳銃を装備した警官がそう叫びながらこちらに走ってきた。皆の前まで来ると、盾を床に放り投げ尻餅をついた。はあはあと息を切らす。その顔は汗と血とすすにまみれ、恐怖の色が浮かんでいた。
「どうした!?何があった!?」
SPの1人が彼に聞く。が、警官はSPの顔を見上げるだけで答えようとしない。SPは胸ぐらを掴み上げ、再び同じセリフを口にした。
「官邸の・・ゲートが奴らに・・いくら撃っても倒れないんだ!!もうすぐそこまで来てる!!突破されたんだよ!!」
それを聞いたSPは顔色を変え、同僚に目で指示を送った。同僚は頷くと、何人か引き連れて官邸の正面玄関に向かった。
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