第1章 ~始まり~

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屋外の喧騒とは打って変わり、フロアは静まり返っている。 「・・・・・・」 土方は、ライフルを背中に回し、太もものホルスターから拳銃を抜いた。さほど広くない空間では、長さのあるライフルよりも拳銃の方が扱いやすい。一方の楠木は、SMG(サブマシンガン)を構え、先を行く土方を援護する態勢に入った。 ゆっくり歩を進めようとした時、廊下に倒れている死体が目に入った。うつ伏せでピクリとも動かない死体は警官だった。手には拳銃が握られたままで、上半身はハチの巣だった。 生死の確認も必要なしと判断したのか、土方はそのまま進む。楠木もそれに倣おうとした。 「・・・?」 だが、通りすぎる寸前に、彼女ら何か違和感を感じた。死体に目をやるがおかしなところはない。だが、何か引っかかるのだ。 (気のせい・・・か) 楠木は思考を打ち切り、現実に舞い戻った。土方が、何をモタモタしてるんだという目で楠木を見ていた。
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