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予期せぬ事態に驚きはしたが、土方は咄嗟に警官の顎にカウンターの掌底を食らわせた。
「ウ・・」
警官は、小さく呻き、歯と血を撒き散らしながら床に仰向けに倒れた。
「大丈夫!?」
楠木が声をかけるが、土方は小さく頷いただけで、身構えたまま前を見据えている。
「ア・・・ウ・・・」
顎を砕かれた警官が、ゆっくりと上半身を起こそうとしている。
「ウソ!?まともに喰らったハズ!!なんで!?」
楠木は驚きを隠さずに叫んだ。
「知らねぇよ。効いてねぇのは確かだ!」
土方は警官が起き上がるのを待たずに、今度は顔面に拳を叩きこんだ。メリッという薄気味悪い音が聞こえた。顔の骨が折れたのだろう。警官は、全身をぶるぶると震わせ、そのままピクリとも動かなくなった。
「クソが・・・きったねぇな」
血で汚れた拳を、警官の制服で拭いながら、土方はペッと唾を吐いた。
「・・ねぇ、気付いてる?」
楠木が警官の死体を見ながら言った。
「あ?」
「さっき、廊下に倒れていた警官よ、コイツ。」
「・・・・・・お前、やっぱり生理か?」
楠木は思い切り土方の尻を蹴飛ばした。
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