第1章 ~始まり~

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予期せぬ事態に驚きはしたが、土方は咄嗟に警官の顎にカウンターの掌底を食らわせた。 「ウ・・」 警官は、小さく呻き、歯と血を撒き散らしながら床に仰向けに倒れた。 「大丈夫!?」 楠木が声をかけるが、土方は小さく頷いただけで、身構えたまま前を見据えている。 「ア・・・ウ・・・」 顎を砕かれた警官が、ゆっくりと上半身を起こそうとしている。 「ウソ!?まともに喰らったハズ!!なんで!?」 楠木は驚きを隠さずに叫んだ。 「知らねぇよ。効いてねぇのは確かだ!」 土方は警官が起き上がるのを待たずに、今度は顔面に拳を叩きこんだ。メリッという薄気味悪い音が聞こえた。顔の骨が折れたのだろう。警官は、全身をぶるぶると震わせ、そのままピクリとも動かなくなった。 「クソが・・・きったねぇな」 血で汚れた拳を、警官の制服で拭いながら、土方はペッと唾を吐いた。 「・・ねぇ、気付いてる?」 楠木が警官の死体を見ながら言った。 「あ?」 「さっき、廊下に倒れていた警官よ、コイツ。」 「・・・・・・お前、やっぱり生理か?」 楠木は思い切り土方の尻を蹴飛ばした。
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