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バス停まで結構あった。 お蕎麦屋とかいくつもあるし、お団子とかも売ってる。 ゲゲゲ? 鬼太郎? とかもいるし。 本物じゃないって。 なんか看板見たいの。 顔のとこに穴が開いてて、写真撮れるやつ。 そうそう、舞子さんのとかあったよね。京都だっけ。 で、お蕎麦屋さんの前通ったら、お腹減ってるなって気がついたんだけど、 そこで食べるのもなんかね。 でもいっぱいあるんだよ。蕎麦屋。 有名らしいの。 だから、もう二度と来ないかもしれないから、 食べといたほうがいいかなって思いはじめて、 でも混んでんだよね。 そしたら、座れますよ、って声が聞こえて、 見たら、呼びこみのお姉さんと目が合って、 何名様ですかって、だから一人なんですけど、って言ったら 合い席ならあるんですけどって言うから、 構いませんって入ったら、 親子三人連れの席で、 日本人じゃないんだよ。多分、中国人。 三十代くらいの夫婦と五歳くらいの男の子。 で、その人たち食べ終わってんだけど、店員さんが蕎麦湯用のお湯、持って来たら、 えっ? 蕎麦湯知らないのミワ。 食べ終わったお蕎麦のおつゆにお湯入れて飲むやつ。 なんでって、うち去年までお祖父ちゃんいたじゃん。 知らない? 死んじゃったけど。 だから、付き添ってお蕎麦屋さん行ったことあるからさ。 そんで、その中国人の子どもが、そのお湯、 なんかこう、四角っぽい、木でできた、 なに、ティーポット?  みたいの見て、お父さんに何か言ったの。 そしたらお母さんがそれを指さしてお父さんになんか言ったのね。 で、お父さん、子どもに何か言いながら、 そのポットのお湯を湯飲み茶わんに注いで飲んだのよ。 あたし、えっ、って思ったんだけど、 一口飲んだお父さんが、ちょっと変な顔してんの。 で、子どもが真似して飲もうとしたら、止めるのよ。 お母さん、ポットのふた開けて、お父さんに何か言ってるの。 ちょっと怒ってる感じで。
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