たゆたう時の狭間で (黒の詩)

闇夜の海

月明かりのない真夏の夜に

誘われるように海に向かう

堤防に腰掛けて見る夜の海は

止まっていた心を揺り動かす

引いては返す波の騒めきは

心の襞に震えを呼び起こす

移ろう今をあざ笑うように

繰り返し繰り返し 闇が押し寄せる

明日から目を背けるように

繰り返し繰り返し 何かが囁かれる

深い海のその闇に魅せられて

今はただ身を任せて沈みたい

この世の不条理に包まれて…