プロローグ

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「さて、ここからが問題だ。如月に直接質問させるわけにはいかん。仮に奴がホシじゃ無いとすれば如月を危険に晒す事にもなる。裁判で上げ足を取られるのも厄介だ」 「そうですね……」 どうやら斉藤さんの方が階級が上なのだろう。 まあ、佐竹さんは別だけれど。 佐竹さんがスマホの画面を僕に見せる。 なるほど、と僕は頷いた。 「俺が取り調べをする。斉藤、如月から反応を聞いて質問をメールで投げろ」 「はい、佐竹さん。頼んだよ、如月君」 アウェーからホームへ、現金な人達だ。 斉藤さんが三沢さんに告げる。 「三沢、水上を連れてこい。取り調べ再開だ!」 「はい!」 取調室の様子は、モニターに映し出されるみたいだ。 部屋の中には扉がもう一つ、ドラマみたいなマジックミラーじゃないのが残念だ。 斉藤さんがモニターを立ち上げる。 佐竹さんは取調室の中、水上と呼ばれた容疑者が座るだろう椅子に腰かけた。 「如月君、これで大丈夫か?」 「ええ、これだけ表情が見えれば問題ないですよ。斉藤さん」 「しかし、君は……」
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