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「焦っていない? そうか! もしかして奴はナイフを捨てていない?」
「斉藤さんの言う通りな気がします。それに、水上はナイフって聞く度に嬉しそうにするんです」
「そうか……水上にとってナイフは大事な記念品って事か? やみくもに探しても出て来ない筈だ。斉藤、奴の行動範囲を再確認だ!如月、今日は長くなるぞ」
「まあ、仕方ないですよ……でも、あれどうするんですか?」
三沢さんは黙って室内に座ったままだ。
水上は、あくびなんてしながら寛いでいた。
「斉藤、水上を一度戻そう。昼飯でも食いながら打ち合わせだ」
「へぇ……なんか普通」
庁舎の中に在る食堂でランチ。
なんだか大学の学食みたいで笑える。
まあ、食事してるのは全員警察官だと思うと不思議な感じだ。
窓際で外を眺めていると、此処が警察の中枢だなんて忘れそうだった。
「当たり前だ、警官だって飯も食うさ」
佐竹さんは、あっという間にカレーを平らげてしまう。
「佐竹さん、一時から再度聴取します」
遅れて来た斉藤さんと三沢さんがプレートを手に席に座った。
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