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「如月くん、僕らが気を付けなきゃいけない事はあるかい? その、君の気が散ったりすると困るし」
「あーその点は別に大丈夫ですよ、斉藤さん。話しかけられるぐらいはどうって事ないですし。まあ、こんなのは初めてなんで戸惑ってますけどね。直接話が出来れば早いのは確かですけど」
斉藤さんは頷いて佐竹さんを見る。
「斉藤、気持ちはわかるが無理な話だ。今の状況もイレギュラーだからな。だが、如月が言う通り奴は何処かに凶器を保管している。捨てられていないだけましだろう」
三沢さんが蕎麦をすすりながら考え込んでいた。
「なあ如月くん、一つ聞いてもいいかな?」
「どうぞ。三沢さん、いまさら隠す事もありませんから」
「例えばさ。同じ質問を繰り返したりすると、反応は鈍くなるものなのかな?」
「えー、そんな感じもしますね。わかんなくなる事はないですけど」
「どうしたんだ? 三沢」
「ええ、どうしたら効率的に水上を追い詰められるのかと思って……闇雲に場所を聞いて、水上の表情が曖昧になる事はあるのかなって」
三人が僕を見る。
やさぐれ佐竹さんの顔は見慣れてるから良いのだけれど、穏やかそうに見えて二人は狩猟犬みたいな鋭さが見えるから居心地が悪い。
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