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水上が『止めろ』と叫んだのは、コレクションを母親に知られたくない一心で出た言葉なのだろう。
この上なく後味が悪い。
ああ、そうだ。
僕はもう一つ気付いた事を確認しなければいけなかった。
取調室のドアを開ける。
憔悴しきった水上が僕を見る。
怒りも無い呆然とした表情だった。
当然だろう、この先自分がどうなるのか、水上は知っている。
立ち竦んで水上を見つめる僕に、佐竹さんが声を掛けた。
「どうした? 相棒」
「ええ、最後にもう一つ質問があるんです」
「そうか……」
僕は、出来るだけゆっくりと口を動かした。
「水上さん。河合真美子は……何番目ですか? 二人目? 三人目? 四人?」
精神が崩れそうな表情からでも読み取れた答えを、険しい表情の佐竹さんに伝える。
「他にも三人……そうですね?」
怒りを押し殺した静かな表情で、佐竹さんが水上に告げた。
「どうやら長い付き合いになりそうだな……水上」
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