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《ごめんなさい。少し体調が悪くて、時々お休みしただけなのよ》
彼女の日記には、どこかへ出掛けた事や誰かとの会話は少なくて、その理由が病弱である事を理解した。
日記が途切れた原因は、おそらく入院したり寝込んだりと云った身体的な理由だったのだろう。
小説サイトでのやり取りは、徐々に個人的なコミュニケーションツールへ以降した。
<どう? 調子は>
<うん、悪くはないわよ。また検査で二、三日病院だけどね。幸也くんは何処に出掛けたりしないの?デートとかさ>
<うーん。残念ながら予定は無いかな>
<夏なのに?>
<そうだね。夏なのに家に閉じこもってる。バイトはしてるけどね>
<そっか……良いなぁ。アルバイト……どんなアルバイト?>
<えっと……変わったバイトかな?映像見て感想言うだけ>
まあ、嘘じゃない。
本当の事は口が裂けても言えないし、きっと信じて貰えないだろう。
仮に信じて貰えたとしたって、胡散臭がられるか距離を取られる気がした。
<凄いっ!そんな事がお仕事になるって、きっと凄い才能の持ち主なんだね。幸也くん凄い!>
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