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佐竹さんから送られたメールを見て驚いた。
てっきり都内まで呼び出されると考えていた僕は、肩透かしにあった気分だった。
冷たいシャワーで汗を流してバイクに跨る。
400CCのエンジンは、僕の体重など微塵も感じさせずに約束の場所へ乗り入れる。
お洒落なショッピングモールの外、テーブルが並ぶ中に姿を確認した。
この人には、お世辞にも似合わない店。店内のカウンターでフレッシュジュースを頼んで、席に向かった。
「よう、早かったな」
「早いもなにも、横浜になんの御用ですか? 佐竹さん」
相変わらずの不愛想、だけど今日は何だか申し訳なさそうにしている。
「まあ、お前さんに嘘は通じないから言っておく。悪いが俺の娘に会ってくれないか?」
「娘……さん? 僕の事、もしかして話したんですか?」
「いや、そんな事は話さんよ。役に立つ男を紹介するって言っただけだ」
僕の事は理解している筈で、それでも娘に会わせたいと言うのだから余程の事だろうとは思う。
けれど不思議な話だ。
多くは聞かないけれど、刑事の斉藤さんと三沢さんは佐竹さんを恐れていた。
いや、尊敬なのかも知れない。
成りはよれよれで態度は最悪なのだけれど、僕よりも「役に立つ」筈だ。
「佐竹さんが動けないって事ですか?」
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