第2章   恋文

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「恵美ありがとう」 亜子が興奮した様子で、オフィスの給湯室に入って来た。 そこで、恵美はひとりコーヒーをいれていた。 「どうしたの?」と恵美が言った。 「彼から、私の携帯にメールが来て、また逢いたいって」 恵美は気持ちを抑えて言った。 「そう、良かったね」 「雄太さんがね、君の感性って素敵だ。気がつかなかったよって書いてきたの」 亜子が嬉しそうに、ふふと笑った。 「また、お願いね」 「えっ、まだこんなこと続けるの」と恵美が言った。 「そうよ。私、彼と結婚したいの」 恵美は返事をしなかった。 「恵美、もっと素敵なメール文考えてね」 亜子はそういうと、給湯室に恵美を残して出て行った。 恵美はひとり、そこにたたずんだ。
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