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吉田雄太が営業技術部に配属されてから、半年がたっていた。
あたたかくて、知的で笑顔の素敵な人、恵美は彼に惹かれた。
しかし、彼女は自分に自信がなかった。
おそらく、私という人間は他人との摩擦を避けるために、控えめにしているくらいが取り柄とでも、みんなに思われているのだろう。
恵美は短大を卒業してから、契約社員としてずっと勤務していた。
他の女子社員には、一般職とか総合職の華やかな女性たちがいた。
彼だって、そういう女性に目がいってしまうだろう。
とても積極的にアプローチなんてできない。
彼女はアパートに帰ると、詩を書いていた。それが彼女の趣味だった。
彼女は愛(いと)しい人を想い、美しい言葉を紡いでいた。
それは、届かぬ想いであり、永遠の秘密の想いだった。
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