第2章   恋文

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恵美は、一瞬、胸をつかれた。 そして、動揺していることを隠すために、あわてて顔をそらした。 「ちょっとした偶然なんだけど。残業で帰る時間がいっしょになったの」 亜子の声は、はずんでいた。 「そう、そうなの」と恵美が言った。 「前から、雄太さんに憧れていたの。だから私から誘ったの」 「そう、知らなかった」 「やっと、きっかけがつかめて良かった」 亜子が雄太さんを好いている。 恵美の心はしめつけられた。 「それでね。恵美に頼みたいことがあるの」と亜子が言った。 「なにが・・」 「彼へのメール文、考えてもらえないかな。私の気持ちが伝わるような」と亜子が言った。
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