54人が本棚に入れています
本棚に追加
恵美は、一瞬、胸をつかれた。
そして、動揺していることを隠すために、あわてて顔をそらした。
「ちょっとした偶然なんだけど。残業で帰る時間がいっしょになったの」
亜子の声は、はずんでいた。
「そう、そうなの」と恵美が言った。
「前から、雄太さんに憧れていたの。だから私から誘ったの」
「そう、知らなかった」
「やっと、きっかけがつかめて良かった」
亜子が雄太さんを好いている。
恵美の心はしめつけられた。
「それでね。恵美に頼みたいことがあるの」と亜子が言った。
「なにが・・」
「彼へのメール文、考えてもらえないかな。私の気持ちが伝わるような」と亜子が言った。
最初のコメントを投稿しよう!