第2章   恋文

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「なぜ、私が・・そんなことできない」 「お願い。あなた文章すごくうまいじゃない。才能あるわよ」 恵美のランチボックスを持つ手が、微かに震えた。 「いやよ・・」と恵美が力なく言った。 「なんで、そんなにつれないの。私を応援してほしいのよ」 亜子の声が急に冷たくなった。 恵美は亜子と険悪になりたくなかった。 彼女とトラブルになると、職場でやりにくくなる。 二人は気まずく、黙りこんでいた。 「わかったわ・・」と恵美が言った。 「えっ、引き受けてくれる」と亜子が元気に声を上げた。 「あなたの頼みだもの」と恵美が言った。 「ありがとう。恵美は最高の同僚ね」と亜子が嬉しそうに言った。
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