プロローグ

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ガラスのテーブルに缶ビールを置く。その音が合図。 私は合図とともに体を丸める。カタツムリになる。 それでも覆う殻がないから。 なにも庇うものがないから。 背中や頭を抱えた腕には、声のでないほどの痛みが走る。 「やめて!やめて!」 私はバカみたいに同じ言葉を繰り返す。 声にならない叫びを何度も何度も繰り返す。 心の中で……。 真人の魂に聞こえることを信じて。
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