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晴れ過ぎた日。
雲は何処かに消えてしまって、見上げれば青色以外見つからない。かろうじて太陽が眩しく白いだけ。
熱くはない。もうすぐ夏だっていうのに、梅雨も来ていない。このまま、夏が来なければいいのに。夏が来ないってのはでも、どうなるんだろう。異常気象? 地球の危機?
そんなことを公園でベンチに座ってソーダ味のアイスを食べながら考えていたら、アイスが解けてきてぼとりと落ちる。半分しか食べてなかったのに。
じいっと落ちたアイスを見ていると、横から同じものが出てくる。
「食べる?」
「ありがと。やっぱり棒アイスはソーダ味だね」
「君の好きな味だ」
「うん」
三口くらい食べて、おかしなことに気がつく。
私の横にいるこの男はいつ来たんだ。さすがに開けた公園。ベンチに座るまではわからなくても、横に座られたらわかりそうなもの。どうして気がつかなかった。
そして、この男は誰だ。
「世界はもう終わるんだ」
「なに?」
「世界が終わるんだ」
「聞こえなかったわけじゃないの。何を言ってるんだって意味」
ああこの人やばい人かもしれない。だけどなんだろう、どっかで見たことがある気がする。初めて会ったはずなのに。なんだろう、頭が痛い。何かひっかかっていて、それに触ろうとすると酷く痛む。釣針が引っ掛かったらこんな感じ?
額を抑える。私のことなんてお構いなしに男は続ける。
「もうすぐ地球に小さな隕石が降ってくる。その隕石は小さいけど強力で未知の物質を含んでる。それが地面を抉って地球の真ん中の核に触れて計り知れない反応を起こして地球が木っ端みじんになるんだ」
「ああ、そう」
「だけどそれを止められる生命体がいて、大きくて立つと頭の方なんか見ることが出来ないくらいの奴なんだ。それがその隕石を食べてくれればどうにかなるんだけど、ただその隕石を食べた生命体はその隕石のおかげで知能を得てしまって、それから世界を見下ろしたらおぞましい生き物が地球を喰い荒していることに気づくんだ。だからそのままその生命体は地球を喰う生き物を殺して殺して殺しまくるんだ。そして根絶やしにした後、自分も力尽きて地球の養分となり消えていくんだ。その地球を喰い荒している生き物っていうのが僕達人間で、隕石があれで、巨大な生命体っていうのがあれ」
「え?」
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