第1章 コレはデートか女子会か……

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「だって、警戒されるかもしれないじゃない……」 「それで、警戒するなら、それだけの男ってことよ」 「ーー。ナナって、初恋もまだなのに、最もなこと言うよね……」 「ユウが恋愛下手なだけよ!」 「酷いなー」 恋してるわよっ!あんたに! 「フードコート混んできたね。目的の店、行こうか」 目的の店……。 それは、洋服店。 一見、私の服を選んでいるようだが、悠太郎が一番楽しんでいたりする。 「これどう?」 「まだ、着替えてるから!」 「あら、いい感じじゃない?」 この男ーー! まだ、半分しか着てないのに! 私の半裸は、一億はするわよ! 「「ガガッ、キーン」」 「キャ!何?やだ怖い!ナナっ!」 咄嗟に、「キャ!」なんて悲鳴をあげられるあんたの方が怖いわよ。 「大丈夫よ。放送機器の故障じゃ…… 「「ガガッ、このデパートは、我々に因って占拠された。全員、十分以内に二階フードコートに集まれ。もし、十分後に他の場所で見つけたら、撃ち殺すぞ」」 電子音の男の声が館内に響く。 「ナナ、早く着替えて!」 「ちょ、ユウ!どうすんの!」 「いいから、ついて来て!」 「フードコート、行かないと……」という言葉はあまりの剣幕に打ち消された。 このデパートは三階建てだ。 地下は、駐車場。一階は、食品コーナー。 二階は、フードコート、ゲームセンター。 三階は、洋服店やアクセサリーショップが立ち並ぶ。 そして、夏場、屋上のプールに入ることができる。 昼間は、子供向けプール、夕方からはお洒落なオープンレストランになる。 このような工夫があるから、創業して長い月日が経っても人気があるのだろう。 地域に愛され、親しまれるデパートなのだ。 「ユウ、どこ行くの?大丈夫なの?」 「大丈夫よ。考えはあるわ。とりあえず、ナナは警察を呼んで」 「わ、わかった」 私達は、二階の女子トイレに隠れた。 きっと、見廻りが来て見つかり、殺されるんだわ……。 なんて、最悪な考えが頭をよぎる 。 それより、非常事態とはいえ、悠太郎は女子トイレ入っても大丈夫なのだろうか。
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