第1章 コレはデートか女子会か……

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「ねぇ、ナナ……。色仕掛け、できる?」 「え?色仕掛け?できないこともないわよ?」 色仕掛けって! 何させる気なのよー! 変なこと言うから、疑問形で返しちゃったじゃない! したことないのに、どうしよう……。 悠太郎はゲイだから、効かないと思ってしてこなかったし……。 「じゃあ、見廻りが来たら、対応してね」 「そんな対応って、どうすればいいの?殺されない?」 「そうねぇ……。『トイレの鍵が開かなくて、出れないの。助けて?』みたいに、言ってみたら?ナナは可愛いから、イケるわよ!」 「イケるって……、確かに私は可愛いけど、そんな簡単にいかないわよ」 悠太郎、私のこと可愛いって思ってたのね。 可愛いのは事実だけど、この状況で言われても喜べない! 「ユウはどうするのよ」 「隙をみて、社長室に行く。ここの社長室の金庫に、大金があるって聞いたことがあるから、奴等の目的がそれなら、そこにいけば解決できると思うわ」 「途中で見つかるかもしれないのに、そう簡単に行けないわよ。それに、相手は何持ってるかわからないじゃない」 「あ、見廻りが来た!出番だ!頼んだよ」 「えっ!ちょっと……!」 どうしよう……。 言われたようにやるか……。 あぁぁ……。 どうか神様、仏様、私たちを無事に返してください! 「おい。誰かいるのか?」 今だ!頑張れ!ナナ! 「あのぅ!トイレの鍵が開かなくなっちゃって、助けてくださぁぃ……」 ぶりっ子ボイスで、話しかける。 我ながら、小文字気持ち悪い。
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