日々

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叩きつけるように言われて、もうメロンパンのことは脳みそから吹き飛んでしまう。 「律……?」 律のこんな顔初めて見る。もっちゃんがおろおろと、律の肘に触れようとするが律は勢いよく振り払い、私を、私だけを睨み付けた。 「私が、好きなのは、あんただよ!」 律はそれだけ言うと、踵を返して走りだし、教室から出て行ってしまった。机に広げられたままのかわいらしいお弁当と、うつむくもっちゃんと、それからメロンパンを握って固まる私。 「……り、律、なんて言ってたか、もっちゃん聞こえた?」 もっちゃんはうつむいたまま、静かに頷く。 「聞こえていたし、知ってたよ。律が夏樹のこと好きだってこと」 「嘘……でしょ……」 つぶやくと、もっちゃんは勢いよく顔を上げ、強い目で私を見た。 「嘘じゃない、嘘なんかじゃないよ。律はずっと、夏樹が好きだったんだよ」 「……そう、だったんだ」 だから、最近ずっといらいらしていたんだ。そりゃ、ムカつくよね。私はメロンパンをつくえに置いて、席を立った。 「ちょっと、律探してくる!」 探して見つけて捕まえて、そして、なんて言えばいいのかわからないけど。 とにかく、なにかを言わなきゃならない。 私は教室を出た。走りながら律を探しながら、頭の中では今までの数年間が浮かんでは消えていた。これが走馬灯、と思ったりもした。
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