私の兄界線

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「兄さん、お願いがあるの」 「なんだ、妹よ。アウトドアな願いでなければ、なんでも言ってみるといい」 「そうね。その点では、このお願いは家で完結することだから、インドアな願いといえるわ」 「ふむ、なら任せるといい。なにせお前の兄は、室内では弁慶の名を冠する男だからな」 「兄さん、内弁慶はただの蔑称だわ」 「うむ、別称だな」 「……なにか噛み合っていないような気がするけれど、話を進めます。実は今日、家に学友たちを招いているの」 「ほう。深窓の令嬢のような我が妹にも、学友が」 「私は深層に著しい欠陥があるだけよ。学友といっても、文化祭の打ち合わせに来るだけなのだけど」 「なるほど。一見、文化系の密やかな戯れのような字面でありながら、その実はスクールカーストの上位者が青春を謳歌するためだけの祭りである、あの文化祭か」 「ええ、兄さんが60文字も恨み言を枕言葉にしなければ形容できない、あの文化祭。実は悔恨の極みではあるのだけれど、文化祭実行委員なる役回りに選ばれてしまって」
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