息子たちのはてしない物語

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 もっとも、このような論評には本質的に意味がない。エンデがこう書いている――『小説でカフカが言わんとすることが、評論家がその小説を解釈して述べることであるとすれば、なぜカフカはそれをはじめから書かなかったのでしょうか? 』  ともあれ、全ての小説家は(あるいは全ての妄想者は)胸に「虚無」を抱えている。いや、我々はみな「虚無」を抱えて生きているともいえる。そして「虚無」からの創造を続ける限り、物語は続いてゆく。たとえ死が私達を親しげに待ち構えているとしても。  では本当の「死」とは何か? それもまた自ずから答えの出てくることである。けれどもこれは別の物語、いつかまた、別のときにはなすことにしよう。
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