第5章 まさかの、オール・インバリッド発動

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インテリがどこに向かっているのか分かっているので、尾行も楽である。 インテリは黙々とあの薄暗い路地裏を目指しているのだ。 そこが自分の墓場になるとも知らず……哀れな事だ。 私はまた最悪の事態を想定する。 今の私の最悪の事態とは、あの路地裏に着いたら、大勢のインテリの子分が待っていて囲まれてしまう事である。 しかしそんな事があるだろうか?インテリは自分の事を嗅ぎ回る者がいるのには気付いている。 しかし、それはどこの誰かは知らない。知っていれば、あの酒場で私を取っ捕まえれば良い事だ。 私はラグナが酒場を出て行った時にコソコソと酒場を出た。しかしインテリを狙っているプレイヤーであれば、仲間がインテリから離れた事を喜ぶだけで、一緒には店を出ないのが普通だ。 そして、しばらくして私は店に戻ってきた。服に付いたお助け隊の血や戦いの時の汚れはよく落とした。 仮にインテリが私の行動を怪しいと思ってもそれだけだ。ラグナ達がやられた事までは想像出来ていないはずだ。 だから、奴はあの路地裏に向かうのだ。 そして自分の後をつける者がいるなら、さらにその後を酒場で普通の客を装っていた自分の仲間がついて来ていると思っているはず。 私は後ろを見て気配を探る。誰も後をつけて来る様子は無い。 私がお手洗いから抜け出した事に気付いた者はいないようだ。 私は全てインテリの裏をかいた…… そして、私たちは例の薄暗い路地裏に着く。 路地裏にインテリの仲間はいない。いるのはインテリと私。そしてインテリの後ろでコソコソと隠れるようにしている酒場の女だけだ。 この勝負。私の勝ちのようだな。
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