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「まさかの展開ですね」
私の前に立つインテリがニコニコと笑顔で言う。笑っていられるのも今のうちだけだがな。
「ベテランプレイヤーが初心者プレイヤーを狙うことはあっても、まさかその逆が起こり得るとは思いませんでした」
インテリは余裕をかましてペラペラと喋るが、私は無言で精神を統一させる。
そして長巻を構えた。
「大太刀(オオタチ)ですか?」
インテリは私の長巻を見て言う。この長巻をそう呼ぶ者もいる。
私は長巻を右前半身に構えて、摺り足で少しずつインテリとの間合いを詰めた。
インテリは私の構えを見て表情を引き締める。
「やる人ですか?」
おそらく武道を「やる人ですか」とでも聞いているのだろう。
「……」
私は返事をせずにインテリとの間合いをさらに詰める。
「さがっていて下さい」
インテリは連れの女性に優しく言う。
そしてこちらを向いてニヤリと笑った。
何か特殊能力を出すのだろう。無駄とも知らずにな……
「ラム酒を一杯……発動」
私はインテリの連れの女性を見る。特に何か変わった感じはしない……
ヒョンッ!
インテリが鋭い突きを繰り出して来た!!
それが速い!!
私はそれを辛うじてかわす!!
なんて速さだ!?
姿勢も型もなっていないのにあのスピードとは!?
ギンッ!!キュッイーン!!
インテリは私に連続で攻撃を仕掛けてくる!!
インテリはまだ本気を出していないというのに私は防戦一方だ。
私がインテリの攻撃を一生懸命受けていると、奴は不思議そうな顔をして私から一度距離を取った!
「……」
そして何か言いたげな顔でこちらを見ている。
インテリの言いたい事は分かる。
「あなた、まだオーバー・ヒートを発動していませんね?」
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