第5章 まさかの、オール・インバリッド発動

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「まさかの展開ですね」 私の前に立つインテリがニコニコと笑顔で言う。笑っていられるのも今のうちだけだがな。 「ベテランプレイヤーが初心者プレイヤーを狙うことはあっても、まさかその逆が起こり得るとは思いませんでした」 インテリは余裕をかましてペラペラと喋るが、私は無言で精神を統一させる。 そして長巻を構えた。 「大太刀(オオタチ)ですか?」 インテリは私の長巻を見て言う。この長巻をそう呼ぶ者もいる。 私は長巻を右前半身に構えて、摺り足で少しずつインテリとの間合いを詰めた。 インテリは私の構えを見て表情を引き締める。 「やる人ですか?」 おそらく武道を「やる人ですか」とでも聞いているのだろう。 「……」 私は返事をせずにインテリとの間合いをさらに詰める。 「さがっていて下さい」 インテリは連れの女性に優しく言う。 そしてこちらを向いてニヤリと笑った。 何か特殊能力を出すのだろう。無駄とも知らずにな…… 「ラム酒を一杯……発動」 私はインテリの連れの女性を見る。特に何か変わった感じはしない…… ヒョンッ! インテリが鋭い突きを繰り出して来た!! それが速い!! 私はそれを辛うじてかわす!! なんて速さだ!? 姿勢も型もなっていないのにあのスピードとは!? ギンッ!!キュッイーン!! インテリは私に連続で攻撃を仕掛けてくる!! インテリはまだ本気を出していないというのに私は防戦一方だ。 私がインテリの攻撃を一生懸命受けていると、奴は不思議そうな顔をして私から一度距離を取った! 「……」 そして何か言いたげな顔でこちらを見ている。 インテリの言いたい事は分かる。 「あなた、まだオーバー・ヒートを発動していませんね?」
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