第5章 まさかの、オール・インバリッド発動

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私はインテリの問いに答える。 「その能力はオーバー・ヒートと言うのか?覚えておく」 インテリは私の言葉を不思議そうに聞いている。 「……まさか、オーバー・ヒートの使い方も知らない?」 インテリは私をゲームの説明書も読まないそそっかしい人間だと思ったようだ。 そんな訳は無い。いざ戦い(ゲーム)を始めようとする者が戦いのルールを覚えない訳がなかろう。 「出そうじゃ無いか。私の特殊能力を」 私は言う。 インテリは私がその「オーバー・ヒート」とやらを発動すると思ったのか、表情をさらに引き締めた。 そんなプログラムの操作で自分の能力を高める事に何の意味がある? 私の能力はそんなものを無意味にする能力だ。 私は言う。 「オール・インバリッド……発動」 インテリはすぐに異変を感じ取ったのか、私と大きく距離をあけて自分のスマホを取り出す仕草をした。 おそらく、自分のステータスを確認するのだろう。 そして、インテリは驚愕した表情で言う。 「まさか……信じられない。そんな馬鹿な……」 ふ、ふ、ふ。「オーバー・ヒート」だか何だか知らないが、そんなものに頼るからだ。 私の特殊能力は「オール・インバリッド」。周りの全ての特殊能力を無効にしてしまう能力だ。
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