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「ア、カ、ネッ」
桃川くんはベッドに横になって枕をポンポンと叩いて、私を招いている。
なんか、すっごい恥ずかしい…。
「きてよ~」
「はいはい」
素直になれなくて、渋々ベッドに片膝をついた瞬間。
彼は私の体を引っ張り込んだ。
「もう、危ないでしょっ」
「だって、早くアカネとくっつきたかったもん」
ケラケラと笑いながら、私をギュッと抱きしめる。
いつものように服を着たまま、充分にいやらしい気分を満たされる。
そして、今日はいつもと違ういやらしいことをするんだと思うと、いつも以上に昂ぶっていた。
そうして、彼によりなにも身に纏っていない姿になる。
一瞬、彼の愛撫から解放されると、急に恥ずかしくなって、慌てて毛布にくるまった。
「さ~ってと」
ニッと口角を上げて、彼はそばに置いてあったネクタイを目の前でブラブラさせる。
それを今からされるんだと思っただけではっきりと興奮を覚える。
私ってホントMだわ。
私がM、そして、桃川くんがS。
それもかなり嗜好の合致した。
カラダが彼を知らなかったら、こんなにもズルズルと彼に嵌ることもなかったのに。
頭の片隅で今更そんなことを考える、往生際の悪い私。
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