O型の人

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私はごく普通の人生を歩んでいくはずだった。 好きな人と結婚をして、好きな人の子を産んで好きな人と一緒に年を重ねていくはずだった。 当時、会社の5つ年上の先輩吉田と恋仲になり付き合う様になった。 私はお互いに心を通じ合わせ楽しい恋人時代を過ごしていく。 やがて結婚へと向かうはずだった。 あの夏の日暮らしの鳴くころ、私の前に一人の男性が現れなければ。 その男の名前は岡野良樹、私よりも6つ年上の上司だった。 支店より、本社のこちらに栄転になったのだ。 岡野は、見た目はとても好青年に見えた。 社内の女子たちからも熱い視線を受けるほどのイケメンでもあった。 頭脳は優秀で時期課長と噂されるほどの男だった。 私、井上まどかは、周りの事は気にせず。 ただひたすらに、恋人である、銀縁メガネの良く似合う、吉田健二との関係を温める事だけに意識を集中していたので岡野の事は眼中になかった。 岡野は自分に関心を持たないまどかにとても興味を引かれていた。
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